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SCENE 1 一人目の犠牲者
雪山の奥深く、ボーン装備の女が一頭のフルフルに襲われていた
暗い洞窟の底から淫靡な水音が聞こえている。
オスとメスが繋がって、ねばった体液を溶かし合う音だ。
聞こえ始めてからもうどれくらい経っただろうか。
それらはずっと途切れることなく、陵辱の存在を主張し続けている。
「はっ…はうっ…」
「フゴッ…フッ、フッ、フッ…」
闇の中で白い影がうごめく。
荒い吐息をつきながら、一匹のフルフルが繁殖行為に夢中になっているようだ。
だがフルフルの下に組み敷かれている相手は同種ではない。
それはボーン装備の一式に身を包んだ、一人の人間の女性だった。
彼女は翼の内側に囚われるようにして
四つんばいの格好で深々と膣を貫かれていた。
フルフルの一物はその体長から考えればかなり小さかったが
それでも人間の男根に比べれば三倍以上の長さと太さがある。
胎内を強く圧迫しながらこじ開けている肉の槍に
彼女はその心と身体を、内側から押さえつけられてしまっていた。
今朝まで処女だったボーン娘の性器が
規格外な生殖器を挿入されて無理やり変形させられている。
フルフルの生殖腺は興奮物質を分泌しているため、
それによって多少は苦痛が軽減されているものの
およそ人間の性交では考えられない痛みと圧迫に
ボーン娘は息も絶え絶えだった。
「いやっ……いやああっ！！」
すでに白濁で満たされていた彼女の胎内に
新たな獣液が熱くほとばしって直撃する。
「うううっ！！ うわああっ！！」
そう叫ぶと、射精が生みだした一瞬の隙をついて
彼女は泣きながら逃げ出していた。
しなやかな足で凍った床を蹴りつけて
フルフルの翼の隙間から辛くも脱出に成功したのだ。
「うう…ぐすっ…ふうう……！」
乙女の穴から白い獣汁を垂らしながら、
立ち泳ぎのような鈍い足どりでフラフラ走って逃げていく。
乱された衣服を直しているような余裕も無く
一歩を踏むごとにむき出しの乳房が揺れ、
陰唇が精液をこぼしながら光っていた。
なぜ、どうしてこんなことに。
涙と鼻水にまみれながら、娘の頭はいまだ混乱にかき回されている。
自分が走っていることは何とか理解していたが
走るボーン娘の目には何も見えず、耳には何も聞こえない。
脳が刺激と感情の渦に溺れて、オーバーフローしてしまっている。
『バチバチッ！』
「はぎぃああああッ！？」
ボーン娘は背後から衝撃を受け、舌を吐き出すほどの激痛に全身を焼かれた。
衝撃は一瞬だったが、あまりに致命的だった。
彼女は足を完全に止めてしまうと
「あ……ぐ……」
そのまま立つ力を失って、ゆっくり氷の床に崩れ倒れた。
あたかも逃げるケルビが後ろからボウガンで撃たれるように
ボーン娘はフルフルの雷電ブレスを背中に被弾していた。
口や性器の穴からうっすら立ち上る白い煙は
彼女の体内を駆け抜けた電流の強さを物語っている。
普通の人間なら即死、強靭なハンターといえども
しばらくは指一本動かせそうに無いダメージだった。
獲物のそばに、フルフルがのっそり追いついてきた。
動けないメスの上にふたたび覆いかぶさると、そのまま膣を一気に貫く。
「うはあぁぁ…」
すっかり脱力した女体がお尻を前にせり上げて、
でんぐり返しの途中の姿勢でボーン娘とフルフルは一つになった。
「はう…あ…… あ、あ…」
再び洞窟内に、濡れた肉音がこだまする。
抵抗するどころか呼吸も満足にできないようなありさまで
ボーン娘は身体の奥の奥まで
別の生物の体温が侵入しているのを感じていた。
間をおかずフルフルの動きが止まる。
腰をぐっと押し込んで震える。
また射精が始まったようだ。
「あ…う…あ…」
胎内を逆さまに流れる精液の、どろりと熱い感触だけがやたらはっきり伝わってくる。
無意識に声が漏れ、大開きの太ももが小刻みに揺れる。
もう何度、オスからの種付けを受けてしまったのだろうか？
ボーン娘はその身も心も、フルフルによって完全に制圧されていた。
だがもう何かが手遅れだった。
酷使される膣や子宮だけでなく、彼女の内臓器官はあちこちが限界に近づいていた。
息は急速に浅くなり、耳は遠くなっていく。
見慣れた世界が自分から遠ざかっていくような恐ろしい感覚だった。
そうして光を失っていく意識の中で
ボーン娘は子宮に脈打ち続ける精液の熱だけを感知していた。
--
フルフルは違和感を感じていた。
自分がつがいにしたメスの様子がおかしかった。
このメスを麻痺させ、その性器を初めて貫いたのはおよそ二時間前のこと。
雪山の中をかなり遭難していたらしく、抵抗の力は弱かったものの
血色のいい処女膜を突き破った時には甲高い鳴き声を上げていた。
『いやあああああっ！！！ そっ、それだけは……
痛っ！ ふっぐぅううううううううううっ！！！』
洞窟に響くその魅力的な鳴き声に、
フルフルは全身の血をたぎらせながらメスの中へと侵入していった。
それほどよく鳴くメスだったというのに。
「ぅ…… ぅぁ…… ぁ……」
いまや何の力も感じないか弱い声に、腰を振りながらフルフルは焦る。
それはもう声というより、肺から空気が漏れている音に過ぎない。
何かが間違っていたのだろうか。
フルフルにとっても生まれて初めての交尾だったので
まるで加減の分からないことばかり。
それでも必死に子種を注いで、メスの狭い胎内を一杯に満たしていた。
何度も射精するたびに、メスは涙を流してけたたましく鳴いた。
その時までは異常は無かった。
今はなぜ、これほど衰弱し始めているのだろうか。
そもそも異種と交わってる段階で無理だらけではあるのだが
やはり直接的な原因は、先ほどの電撃の力加減だ。
興奮しつつも疲労していたボーン娘の内臓は
背中から受けたあのブレスによって、回復可能な一線を越えたダメージを受けていた。
そして彼女は、後戻りの出来ない衰弱の坂道を転がっていく。
だがフルフルには初めての交尾だけで目一杯で
相手の異変に対処する余裕が得られない。
「ぁ……ぁ……ぁ……」
脱力した身体の中で唯一キツく締まる膣の中へ
（締めているわけではなく、性器のサイズが合っていないだけなのだが）
フルフルは覚えたての肉悦に身を任せ、
またもや盛大な射精を始める。
「うぁ…………」
みじかく呻くボーン娘の頬に、新たな涙がひとすじ伝った。
だがそれでも飛竜はまるで勢いを止めない。
快楽の向こう側にある本来の目的を、生殖を果たすまで終わりはしない。
・
・
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さらに何度も、何度も何度も射精は繰り返されていた。
「………ぁ… ………ぁ… ………ぁ…」
フルフルがいまだ力強い抽送を打ち込むと、
岩と飛竜に挟み込まれたボーン娘の肉体は
若い小枝のように曲がったりしなったりを繰り返す。
そして射精。
性器はなんとかねじ込めるサイズであったが
精液の量は飛竜の巨大な身体にふさわしいものだった。
滝のように溢れ返るフルフルの子種は、
とても処女の胎内におさまるような代物ではない。
「ぅぁ……ぁ……」
弱々しく息をする胸に乳房が揺れて
あられもなく開ききった太ももが思い出したようにピクっと震えている。
「か……は…………」
とうとう、ボーン娘の肉体は限界を迎えた。
彼女の全身がみじかく震え、涙に揺れる瞳の中で、黒い瞳孔がきゅっと縮んだ。
やがて瞳孔は緩やかに広がっていき、ほどなくして完全に眼の光が消えた。
……しばらくしてフルフルが気づいた時には、彼女は息をしていなかった。
無表情なフルフルの全身を、奇妙な感情の波が通り抜けていく。
怖れのような、焦りのような、悲しみのような、絶望のような。
フルフルは必死でボーン娘の頬を舐め、大きめの乳房をさすったりして何とか蘇生を試みるが
彼女の肉体は力なく体温を失って、凍土の一部へと変わりつつある。
フルフルは再び腰を動かし始めた。
ボーン娘が初めて膣内に射精された時、
絶叫しながら猛烈に暴れたことを思い出したのだ。
がむしゃらだった。
もう冷たいといってもいいほど冷めた身体が凍ってしまう前にと
肉欲でも快楽でもない、ただ射精のためだけに腰を振った。
女ハンターの肉体が悲しげに揺れる。
重みのある乳房は生前のように揺れまくっていたが
それが彼女の表情を動かすことはなく
生活反応の消えた膣肉は、もう何の締めつけも返してはこなかった。
やがて冷え切った子宮に煮えたぎる精液が注ぎ込まれる。
戻ってくれと願うフルフルの祈りもむなしく
ボーン娘は嫌がるどころか微動だにせず
開いたままの彼女の両目は、もう何も見てはいなかった。
「………………」
飛竜も沈みきって動きを止めた。
まるでフルフルまで死んでしまったのかと思うほどの消沈だった。
そうこうするうちに、とうとうボーン娘の膣が凍り始めてきたので
フルフルは長い肉竿をずるりと女体から引き抜いた。
「AWVOOOOOOOOOOONN！！」
長い長いバインドボイスが、挽歌となって雪洞に響く。
遺体の髪と乳房がビリビリと揺れている。
氷の壁が、氷の山が、すべてが悲しみに泣いているようだった。
誰に向かって鳴いたわけでもないが、その声は誰にも届かない。
この地は雪山であって雪山ではなかった。
雪峰雪渓の奥の奥、雪山の最深部にあたる白い峡谷、
ここは幻の崩竜が住まうと言い伝えられる、陸の孤島だったのだ。
訴えても聞く者がいない悲しみの歌。
白銀の牢獄には、このフルフルのほかに生命はいない。
実はそればかりか、ふもとの雪山エリアまで降り下ったところで
他のフルフルは一匹たりとも生き残っていない。
雪山に絶滅の嵐が吹き荒れていた。
忘れ去られたこの地に、ただ一頭の生存を残して。
ボーン娘の死に吠え続けるフルフル。
彼はいまや、自分が深い深い孤独の中にいることを
本能からうっすらと感じていた。
ボーン娘は死んだ。
やがてこの孤独なフルフルも死んだ。
彼はフルフルとしての生き方、
フルフルとしての在り方を知らないまま死んで行った。
彼は死んだが、彼の遺伝子は奇跡的にこの地に残った。
彼が無理やりに残した、歪んだ遺伝子たちだった。
その歪みは新たな惨劇を引き起こし、人の世の記憶に長く刻み込まれることになる。
だがそれはもう少し先のお話。
それに先立って、
フルフルが残りの命をいかに生き、そしていかに死んだのかを話そう。
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