vsボストロール 1/12
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地の底へ


アリアハンを出てもうどれだけの時間が過ぎただろうか。

勇者を追いかける女戦士の旅は続いていた。
戦いの日々に幾ばくかのLVも上げながら
彼女は着実に勇者達へと追いつきつつあった。

そんな彼らの足跡が、ついにサマンオサ城にて交差した。

別々の門から別々の道を通りながら
彼女達は確かに同じ城下町の中を歩いていたのだ。

あと一つ角を曲がっていれば、あと一つ橋を渡っていたなら
彼女の願いは成就したのかもしれない。

だがそこに起こったのは、ほんの僅かな差でありながら
決定的な結末を導く すれ違いであった。

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サマンオサの民が、人変わりしてしまった王に苦しめられていた。

城内に潜入した勇者は 一目で王の肉体に邪悪を見抜くと、
一旦サマンオサを脱出し
自分達の体勢を立て直すことにした。

秘宝・ラーの鏡を求めて、城下町を後にしたのだ。


そうとも知らない女戦士は、いまや魔城と化したサマンオサの城内にいた。

単独で踏み込んだのは、なまじ勇者に近づいたゆえの焦りか。

まるで群れからはぐれた羊が独り歩いていくように、
彼女は後戻りできない階段を登り、自ら生贄の祭壇に立つ。




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