ブロック崩し企画そのA >>スキップ
「て……天国か……?
死んだ父さんと母さんはどこだ……」
昼間から飛び回る星に向かって、とりとめもない台詞がこぼれ出す。
この時は知らなかったのだが、
私の身体は、なぜか精霊ルビスの加護を受けていたらしく、
自然の力では傷一つつかない状態だったという。
その割には、随分痛かったような気もするのだが……
ともかく常識的に”助からない”と思い込んでいた私には、
自分が生きているという事実さえあやふやな状態である。
いつの間にか見覚えのないスライムにまとわり付かれ、
戦いもせずに拘束されてしまったからといって、あまり責めないでやってくれ。
「生きてるのか……? 何だかべちょっとしたモンが……げぇっ!?」
言いかけて思わず息を呑む。
ぼやけていた視界にうごめく緑色の物体が、
どうやらモンスターであると、今さら気づく。
塔から落ちて
死んだと思った精神的ショックで、
とっさに身体が動かなかった。
ナメクジ責めとでも言うのだろうか。
皮膚の上に異物が冷たく流動する不快感に鳥肌が立つ。
そんな私の身体は、
まるで遠慮のないスライムたちによって飲み込まれていく。
「や、やっぱり死ぬのかな、私……
スライムなんかに食べられるって、情けなさすぎる……」